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「気になり続けること」も心理的負担! 注意を向けるモノを抑える「所有しないリスト」

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あなたが所有しているモノは、本当に必要なモノばかりですか? 京大卒・元「日本一有名なニート」のphaさん伝授! 所有しておいたほうがいいモノかどうかを考え直す「所有しないリスト」。

プロフィール

作家pha

1978 年生まれ。大阪府出身。現在、東京都内に在住。京都大学総合人間学部を24歳で卒業し、25歳で就職。できるだけ働きたくなくて社内ニートになるものの、28歳のときにインターネットとプログラミングに出会った衝撃で会社を辞める。以来、毎日ふらふらしながら暮らしている。シェアハウス「ギークハウスプロジェクト」発起人。著書に、『しないことリスト』『人生にゆとりを生み出す 知の整理術』(大和書房)、『ニートの歩き方』(技術評論社)、『ひきこもらない』『持たない幸福論』『パーティーが終わって、中年が始まる』(幻冬舎)、『フルサトをつくる』(ちくま文庫)がある。

「いわゆる『しなきゃいけないこと』の99%は『本当は別にしなくてもいいこと』だ」と断言する、京大卒・元「日本一有名なニート」のphaさん。著書の『しないことリスト』(大和書房刊)では、私たちが「しなきゃいけない」と思っていることが、本当に必要なことなのかどうかを問いかけています。今回は同書「第1章 環境をスッキリさせる 所有しないリスト」から、身の回りをはじめ、頭や心の中に溜まっているモノを手放すヒントやアイデアを紹介します。

心理的負担は地味なストレス。所有するモノは必要最小限に

「持っているものは少ないほうが、身軽に気楽に生きられる」とphaさん。

モノを持てば持つほど、「管理コスト=お金やメンテナンスの手間など」がかかる上、「ずっと使ってないな」「捨てようかな」「何かのときのために置いておいたほうがいいかな」「どうやって捨てればいいんだろう?」と“気になり続ける”という心理的負担もかかります。特に、心理的負担は、知らず知らずのうちに積もり積もって、ストレス増にもつながっているのではないでしょうか。

また、phaさんは心理学の概念の1つ「注意資源(もしくは『認知資源』)」についても紹介。注意資源とは、「注意力は有限である」ということ。モノを持てば持つほど、一つひとつの扱いが疎かになるので、有効に活用できるモノの数には限りがあると言うのです。

現代社会では、レンタルやシェアなど、自分で所有しなくてもさまざまな手段があります。今、所有しているモノは、本当に所有しておいたほうがいいのか? 「所有するモノ・しないモノ」を見つめ直す視点として、phaさんは次の9項目をリストアップしています。

1.余計な買い物をしない
2.お金で解決しない
3.高い家賃を払わない
4.自分だけで独占しない
5.頭の中だけで考えない
6.読みっぱなしにしない
7.デジタルにしない
8.過去に固執しない
9.高く積み上げない

その中から
 ●余計な買い物をしない
 ●頭の中だけで考えない
 ●過去に固執しない

の3つの項目について、ポイントを紹介します。

「余計な買い物をしない」。衝動的に「ほしい」と思うモノは、なくても困らない

そもそもモノを増やさないようにするためには、「買い物をしない」ことが一番。「広告とかショッピングモールとかは人の欲望を煽って人にモノを買わせるプロだから、あまりそういうテクニックに踊らされてはいけない」とphaさん。

テレビやインターネット、店頭などで新製品を見かけると、必要としていたわけではないのに「いいな」「あるとよさそう」とほしくなることはありませんか? 店頭での場合、店員さんに声をかけられて勢いで買ってしまうなんてこともあるものです。

衝動的にほしくなるモノの多くは、あとで冷静に考えると、別になくても困らないモノがほとんど。「何かとお金を使わせようとする商売の仕組みに、乗せられ過ぎないようにしよう」とphaさん。

「頭の中だけで考えない」。書いたり話したりして、思考をアウトプットして手放す

身の回りに物理的なモノを所有しないことはもちろん、頭の中を整理することもお忘れなく。「思考を頭の中でグルグル回すだけじゃなくて、ときどき外にアウトプットをするようにするといい」とphaさん。その方法として2つの方法を提案します。

1つは、気持ちや思考を紙に書き出してみること。紙に書いて外に出すと、少し距離を置いて見ることができます。そのときに「認知のゆがみ=自分の考え方のクセ」に気づいて、意識的に取り除いてみると、「悲観的すぎたかな」「そこまでどうしようもなくはないな」と捉え直せることも。

もう1つは、他人(リアルでもネット上でも)に話を聞いてもらって意見を聞くこと。「自分=当事者」には、特別で切実である物事も、他人から見るとよくある話だったり、自分だけでは思いつかなかった解決の糸口を見出せたりすることも。ただし、1人だけに聞いても、自分と似た思考パターンだった場合は堂々巡りになるので、視点が異なる複数人に聞くことをphaさんはおすすめしています。

「過去に固執しない」。即・軌道修正を心がければ、現状も精神的にもよいほうに向かう

「これをしたのは間違いだった」「こっちではなく、あっちにすればよかった」と後悔することはありませんか? そんなときは「自分の間違いを認めてやり直す勇気を持とう」とphaさん。

一度「こうだ!」と思って進み始めてしまうと、途中で間違っていたことに気づいても、認めたくない心理が働くものです。他人が関わっていれば、より「今更言い出しにくい」という気持ちにもなるでしょう。

しかし、phaさんは「間違えた道を選んでしまったときは、できるだけ早めに引き返したほうが傷が浅く済む。自分の間違いを認めて、やり直す勇気を持とう」と提案。自分を過大評価せず、他人によりよく見せようとせず、すぐに軌道修正するほうが、現実がよいほうに進みますし、くよくよしたり後悔したり引きずったりという心理的負担も少なくてすみます。

今回紹介した「環境をスッキリさせる 所有しないリスト」のまとめ

●「買い物をしない」。衝動的に「ほしい」と思うモノは、なくても困らない
●「頭の中だけで考えない」。書いたり話したりして、思考をアウトプットして手放す
●「過去に固執しない」。即・軌道修正を心がければ、現状も精神的にもよいほうに向かう

この記事を書いた人

小森利絵
小森利絵
趣味はお手紙を書くこと。ライターとして人物インタビューをメインに活動。強み:浅くだが、広く、いろんなことに興味を持てるほう。弱み:即時に要点をまとめる・アイデアを出すなどが苦手で、時間を要す。

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