好きを仕事「自分の子どもに和柄服を着せたい」と作製し始めたところ、幼少の頃からの“好き”や趣味を生かせる仕事に結びついた(和柄手作り服の作り手/神庭希さん)
多様な働き方のリアルを聞きました! どうやって自分の仕事を確立したのか。「自分の子どもに和柄服を着せたい」と作製していたところ、友人からすすめられてネット販売をスタート。幼少の頃からの“好き”や趣味を生かせる上、双子を含めた3児の子育てをしながらできる現在の仕事につながったという、手作り和柄服の通販店「神の手」の神庭希さんにお話をうかがいました。
プロフィール
和柄手作り服の作り手神庭希
仕事内容と自分らしいビジネスアイデアの見つけ方
どんな仕事をしていますか?
和柄手作り服の作製・通信販売。普段着から、和太鼓やダンスチームのユニホーム、音楽アーティストのLIVE衣装、オーディション用の衣装なども承っています。
今の仕事のキャリアは?
2007年に手作り子ども服の通販店「神の手」をオープンし、17年が経ちました。
なぜ、今の仕事を「自分の仕事」にしたのですか?
幼少の頃から裁縫が趣味で、いろいろな物を作製していました。自分の子どもが生まれたのを機に、子ども服などを作製するように。ある時、私の作製した服を見た友人が「ネットで販売した方が良いよ」とすすめてくれて始めたことが、今に至ります。
今の仕事は好きや得意なことですか?
裁縫は長年の趣味でしたし、中でも“和柄”にこだわったのは日本の着物などの伝統的な柄に心惹かれていたからです。幼少の頃から和紙をコレクションしていました。旅行先で和紙や和紙を貼った小物入れを見つけては、心をときめかせていたことを思い出します。19歳の時には、和柄アパレルブランドと出会い、「この古き良き感じが素敵!」と好んで身につけるように。自分の子どもにも和柄服を着せたいと思った時、同ブランドでは子どもサイズの展開がなかったんです。そこで、自分の子どもに和柄服を着せるために、自分で作製するようになりました。
なぜ、今の仕事がビジネスとして成り立つと思ったのですか?
友人にすすめられてネット販売を始めたところ、オーダーを頂くようになったことです。17年前は手作り服のネットショップ、さらには和柄服はめずらしかったので、ニーズがあるのだと思いました。
「自分の仕事」としてやっていくと決めてから、やったことはなんですか?
認知される必要があると考え、宣伝として当時主流だったSNS「mixi」を始めました。
あなたの「強み」「弱み」は?
強みは、コミュニケーション能力。弱みは、まだ起きてもいないことを想定して考えすぎてしまうこと。
自分の強みをどう仕事に活かしていますか?
ネット上でのやりとりになるので、丁寧な対応を心掛けています。「はじめまして」のお客様には、まず相手が気にしていることや不安に思っていることを聞き出して、それに答えて不安を取り除いてから、自分の思いなどを伝えるようにしています。あとは「レスポンスは早めに」も、相手との信頼関係を築く上での重要事項です。
自分の弱みをどう克服していますか?
自問自答しながら、「そんなこと、起きるわけがない」と自分に言い聞かせています。時に、「まだ起きてもいないことを想定して考えすぎてしまうこと」という弱みは、危険予知にもつながるのですが・・・
ビジネスを立ち上げる時の最大の壁は?
コロナ禍でイベントが減少した影響を受け、2019年から2021年までの3年ほど、衣装作製のオーダーがほぼ皆無になりました。そこで、家でリラックスできる服を作製するように。2022年からイベントが少しずつ復活し始めると、衣装作製のオーダーが戻ってきました。
ビジネスを立ち上げる前に何を準備しましたか?
ネットショップを開設するために、パソコンを購入しました。
ビジネスを立ち上げて、最初にぶつかった壁は?
ネットショップさえ開設すれば、自然とお客様に買いに来てもらえると思っていましたが、そんなはずはなく・・・集客のためには、さまざまな工夫が必要です。中でも、SEO対策について無知だったことが課題だと感じ、SEO対策の会社に改善を依頼するなどして対応しました。
1人社長ですか? それともチームですか?
1人で運営しています。
仕事に求める優先順位は?
生活をしていくための収入が最優先。そのほか、時間や場所の自由度があるかどうかも、優先度高めです。
法人化していますか?
節税の観点から法人化も検討しなければと思案中です。
会社員を辞めてから今の仕事をはじめましたか?
双子の育児中に開業しました。最初から、この仕事1本です。外に働きに出られない状況だったので、生活の足しになれば良いなというところから始めました。
はじめての仕事はどのように獲得しましたか?
「Yahoo!オークション」に出品したところ、ご縁があり、ショップを知っていただけ、オーダーにつながりました。
最初に自分の力で稼いだお金を得た時の感想は? また、その額はいくら?
とても喜ばしかったです。金額は1万円くらいだったと思います。
価格はどのように決めましたか? 価格設定で悩んだことは?
自分の時間給を考えて、それを作製するのに掛かった時間と材料費などを入れて計算しました。高すぎないか、安すぎないかは、常に悩みます。
ビジネスが軌道に乗るまでの期間とその間のやりくりは?
3年くらいでしょうか。それまでは、まずは認知してもらうことが大切だと考えて、とりあえずたくさんの人に知ってもらうために、薄利多売でどんどん作製して販売していました。