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キャリア設計

「なりたい自分」を操ってキャリアを築く。元NHKキャスターに教わるキャリアアップ方法とは?

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「なりたい自分」になるために、「セルフ・パペット」を設定するという方法があります。元NHKキャスターであり、長崎大学准教授/スピーチコンサルタントとして活躍する矢野香さんにくわしく教わります。

プロフィール

長崎大学准教授、スピーチコンサルタント矢野香

やのかおり スピーチコンサルタント、長崎大学准教授。博士(総合社会文化)。NHKキャスターとして報道番組を17年担当した後、独立。著書に『最強リーダーの話す力』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『【NHK式+心理学】一分で一生の信頼を勝ち取る法 』(ダイヤモンド社)、などがある。

長崎大学准教授/スピーチコンサルタントとして活躍する矢野香さん。NHKキャスター時代に「なりたい自分」の操り方を編み出し、順調にキャリアを築いてきました。心理学の自己呈示論に基づいた「なりたい自分」になる方法を教わります。

* * *

スピーチコンサルタントの矢野香です。キャリア女性が「セルフ・パペット」を使って「なりたい自分」になる方法をお伝えします。

「なりたい自分」と「本当の自分」を使い分ける

キャリア女性が「なりたい自分」といえば、知性にあふれ、好印象を与えるだけでなく、相手の記憶に残る人をイメージする方が多いのではないでしょうか。

それぞれの「なりたい自分」になるために、まず「セルフ・パペット」を設定してみましょう。「セルフ・パペット」とは、自分の操り人形のこと。「なりたい自分」と「本当の自分」を分けて、「本当の自分」が「なりたい自分」を操り人形のように動かします。これは、心理学で「自己呈示」と呼ばれている考え方です。

「セルフ・パペット」を設定するメリットはたくさんあります。たとえ「本当の自分」は自信がなかったとしても、堂々とした「なりたい自分」になれること。オン・オフの切り替えがしやすくなること。批判されてもメンタルヘルスを守れることなどがあげられます。

では、「セルフ・パペット」はどうやって操るのでしょうか。表情や声、ジェスチャー、話す言葉などを、「なりたい自分ならどうするか?」という視点で考え表現します。

本当の自分とは違う人格を演じることに戸惑う方がいらっしゃるかもしれません。しかし日常から私たちは、娘、嫁、母、学生、ビジネスパーソンなどの社会的役割を、無意識のうちに演じ分けています。「セルフ・パペット」は、それを意識的に、自分自身のために行うことだといえるでしょう。

「セルフ・パペット」の名手の一人に、ドイツのメルケル元首相がいます。16年という長きにわたる在任期間中、彼女はずっと金髪のショートカット、丸い襟のスーツというおなじみの姿で聴衆の前に立ち続けました。いつも同じ姿であることによって安心と信頼を与え、「ドイツの母」として国民から慕われる世界的なリーダーとして、人々の記憶に残るようになったのです。

「なりたい自分」を「セルフ・パペット」に設定する方法

「セルフ・パペット」を設定するために、「社会で仕事をするとき、どんな自分になりたいか」を可視化するワークをしてみましょう。「自分がどうふるまうか」ではなく、「なりたい自分ならばどうふるまうか」を考えるのがポイントです。以下の3つの質問の回答を、ノートでもスマホでもいいので書き出してください。

  • 「なりたい自分」をイメージします  

例:人前で堂々と話し、周囲からも頼りにされる女性リーダー

 
  • 「なりたい自分」は、どんな服を着ていますか?
 
  • 「なりたい自分」は、どんな表情をしていますか?
 
  • なりたい自分」は、どんな言葉を話していますか?よく言う口癖はなんでしょう。
 

イメージできなかった方は、憧れの先輩や俳優、世界の女性リーダーからロールモデルを探してみましょう。

クライアントに人気なのは、天海祐希さんや北川景子さん、アメリカ合衆国副大統領のカマラ・ハリス、イギリス王室のキャサリン妃、元国連難民高等弁務官の緒方貞子さんなどです。著名人だけでなく、あなたの周囲の先輩でもOKです。

ロールモデルを決めたら次は、「何を話すか」と「どのように話すか」を設定しましょう。

「何を話すか」は、話す内容や言葉遣いなどのこと。「どのように話すか」は、相手の視覚に入る表情やジェスチャー、ファションなどのことです。ロールモデルがおこなっているこれらの要素を観察し、モノマネしてみましょう。

相手があなたの印象を定着させるまでにかかる時間は、最短10ヶ月だと言われています。この期間は「セルフ・パペット」の設定を変えないようにしましょう。

「セルフ・パペット」の設定は、人生を変えるチャンスです。誰にもわからず話し方をトレーニングすることで、いつのまにか「なりたい自分」に成長し、生まれ変わることができます。

「なりたい自分」になることを許可するのは自分自身。何歳からでも遅すぎるということはありません。自分の可能性を信じましょう。挑戦するあなたを応援しています。

この記事を書いた人

I am 編集部
I am 編集部
「好きや得意」を仕事に――新しい働き方、自分らしい働き方を目指すバブル(の香りを少し知ってる)、ミレニアム、Z世代の女性3人の編集部です。これからは仕事の対価として給与をもらうだけでなく「自分の価値をお金に変える」という、「こんなことがあったらいいな!」を実現するためのナレッジを発信していきます。

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