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個人事業主は開業しても2年で半数が廃業。必要なのは「半年分の生活費」「月5万円の副業」「健全な自信のなさ」

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フリーランスになるための心構えをIT企業を辞めサラしカメラマンになった坂口康司さんに聞きました。マインドセット3種の意外な神器とは?

個人事業主は、開業しても約半数が2年以内に廃業する厳しい世界です。それなりの勝算を胸に独立・起業しても、そううまくはいかないのが世の常。

IT企業を辞め、カメラマンとして独立した坂口康司さんも、独立当初は月に数万円しか稼げませんでした。

坂口さんは、目標の収入に達するまで実に多くの試行錯誤があったそうです。そのなかで得た、成功するためのノウハウを、著書『カメラマンになっていきなり月収を100万円にする方法』(自由国民社)に記しています。その坂口さんに、開業の初期段階を乗り切るコツを教えていただきました。

開業から半年分の生活費は事前に確保

アドバイスの1つめは、「半年間は無収入でも生活できるお金を確保しておく」です。

坂口さんは、「本当にゼロから独立」して、日々お金の不安につきまとわれました。仮にどんなに準備をしても、最初から思い通りにはいかないものだと痛感したそうです。

もちろん、開業してすぐに充分な収入を得る可能性もあります。ですが、基本的にはその可能性は薄いという前提で考えたほうがよさそうです。そんな金銭面のリスクを減らすために、半年分の生活資金を確保しておくわけです。

月5万円の副業を走らせておく

もう1つは、開業前に「月に5万円は収入が入る副業」をしておくこと。

副業だけでそれだけの収入があれば、開業後はそれを伸ばしていく方法が考えられます。「本当にゼロから独立」するリスクを減らす有効な手段というわけです。

健全な自信のなさ

坂口さんは、独立時にもつべきマインドセットとして、「健全な自信のなさ」を挙げます。

彼は、カメラマンとして独り立ちしたものの、撮影技術に自信がなく、「実はもっと良い撮影の仕方があるのではないか」と悩んでいました。それが、スキルを持続的に磨いていく、ある種のモチベーションになったそうです。

逆に、駆け出しの段階で自信がありすぎる人は、その後は伸び悩んで大成しないとも。

「ただただ自信がないのはいけませんが、向上心へと結びつく自信のなさはあった方が良いのです」と、坂口さんは力説します。

これとは別に、「一生懸命さ」、「誠実さ」、「素直さ」が、必須のマインドセットであるとも。人徳がないと、最初の依頼はあってもリピートは期待できないからです。坂口さんは、「成功した経営者のほとんどは、誠実さや素直さといった人柄を備えているものです」とも言います。

マーケティングで稼げるポジションを探す

坂口さんは、個人事業主であってもマーケティングの取り組みは大事だと説きます。とびぬけたスキルがあったとしても、世間の人が知らなければ、仕事につながらないからです。

坂口さんが実践したのは、3C分析というマーケティングの基本手法。自社(Company)、市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)を分析して、自分のポジションを探していくのです。それで坂口さんは、「レンタルスペースのカメラマンのポジションが空いている」とわかり、そのジャンルで顧客を開拓していきました。月収100万円の礎を築いたのは、競合のいない世界で仕事を総取りできたからといえるでしょう。

そして、SNSを使ったマーケティングも欠かせないとも。様々なSNSでやみくもに発信するのではなく、潜在顧客層との接点はどのSNSでできるのかを調べるのが重要だとも。そうしてSNSを見定めたら、有益な情報を発信し続けるのです。やがて、顧客がリポストして、フォロワーが増加するなど目に見える感触を得られます。そんな地道な作業が、目標とする収入へと近づく手段となるわけです。

この記事を書いた人

鈴木 拓也
鈴木 拓也
都内出版社などでの勤務を経て、北海道の老舗翻訳会社で15年間役員を務める。次期社長になるのが嫌だったのと、寒い土地が苦手で、スピンオフしてフリーランスライターに転向。最近は写真撮影に目覚め、そちらの道も模索する日々を送る。

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