タニタ研究員の「ダイエットで人生変える」授業猛暑日にアイスを食べるなら「アイスクリーム一択」のワケとは? タニタ研究員がカロリー、血糖値、血管ダメージ視点で検証!
見た目を変え、仕事に役立つ! 「太りにくさ」と「美しく健康に」を叶える、アイスの選び方をチェックしよう。
目次
連日の猛暑でついついアイスに手が伸びる
暑い!暑すぎる……!
気象庁発表の暑さ指数が「危険」を超える中、無謀にもウッカリやる気を出して外出してしまったせいで……全身汗だくになり、小細工したメイクは雪崩を起こして崩壊、そのうち耳から脳が溶け出るのでは?とメンタルまで崩壊危機に陥って、慌てて涼しいコンビニに逃げ込んだ私です……。
「こういうときは疲れた脳のために、ちょっと甘い物が食べたいなぁ、やっぱり夏のスイーツはアイスよね!」と冷凍コーナーに目をやりつつ……若いころの私なら「いやいや誘惑に負けるもんか」と無糖の炭酸水でも買って我慢できていたのです。
それが、最近はどうも我慢するパワーすら落ちてきておりまして(笑)、どうにかしてヒンヤリ甘くおいしいアイスを食べられないものか?と逃げ道を調べまくる方にパワーを使うようになりました。……ということで今回は「太りにくいアイスの選び方」を、データを交えてご紹介したいと思います。
「アイスクリーム」は意外とカロリーが低い
アイスには下記のように種類があります。
乳固形分 | 乳脂肪分 | 特徴 | |
アイスクリーム | 15%以上 | 8%以上 | 濃厚でコクがありクリーミー。高価で高級感のあるものが多い。 |
アイスミルク | 10%以上 | 3%以上 | ミルク感・牛乳の風味が強い。アイスクリームよりさっぱりめ。 |
ラクトアイス | 3%以上 | カジュアルなアイスが多い。コクを出すための植物性脂肪を添加しているものも多い。 | |
氷菓 | 3%未満 | ほとんどが水分と糖分。シャーベットやかき氷など。(ミルク味にはやや乳固形分あり) |
<番外編>
フローズンヨーグルト | 種類別発酵乳。 無脂肪固形分8.0%以上、乳酸菌数または酵母数1000万/ml以上 |
高級感があり、濃厚でクリーミーなおいしさの「アイスクリーム」はハーゲンダッツなどが有名ですね。乳固形分も乳脂肪分も多いので、カロリーが高いのでは……?と思われる方が多いのではないでしょうか。
確かに「同じ重さ」で比較するとそうなのですが、実はアイスクリームは同じサイズ(1ディッシャー分)の大きさで比べると最も軽量。食べている大きさの印象の割に重さが軽いのです。
そしてこの「同じ大きさ(1ディッシャーあたり)」でカロリーを比較してみました。
なんと!同じサイズで比べると、意外にもフローズンヨーグルトの次にアイスクリームのカロリーが低いのです!
ラクトアイスは安価でカジュアルなものが多いのですが、植物性脂肪など添加しているものも多くカロリーは高め。さっぱりしたイメージの氷菓も意外にカロリーが高いということにもお気づきでしょうか。フルーツ味やソーダ味の氷菓ならカロリー自体は低いのですが、冷たくても甘味を十分感じられるよう糖分がとても多く、糖質を気にしている人にとっては要注意なんです。
「アイスクリーム」は血糖値の上昇もゆるやか
では実際に食べたとき、血糖値がどのように変化するのか見てみましょう。
フローズンヨーグルトは同条件のデータが無く比較ができなかったのですが、血糖値の変化を見るとカロリーとは関係なく、アイスクリーム以外は血糖値が急上昇した後、急降下していることがわかります。
氷菓については、カロリー自体は低いのですが「凍らせた液糖」に近い成分組成ですので、そのまま何も工夫せず食べると糖の吸収がとても早く、血糖値がジェットコースターのように急上昇・急下降してしまいます。
血糖値の乱高下は体脂肪の合成・取り込みを促進してしまうだけでなく、血管へのダメージや老化を招くとも言われていますので、アンチエイジングの意味でもできるだけ避けたい……。そういう意味では、氷菓もカロリーは低くてもちょっと避けた方が良いのかな、と思います。
シンプルにそのまま食べる場合は「アイスクリーム」や「フローズンヨーグルト」がおすすめ
みなさん、いかがでしょうか?今回は特に食べ方の工夫など考えず、シンプルにまるごと1個食べたいときに何を選ぶのがおすすめか、というところでまとめます。
◎アイスクリーム
濃厚でクリーミーなアイスクリーム。実は同じ大きさで比較するとカロリーは意外に低いということや、血糖値が上がりにくいことなどからおすすめです。サイズも小ぶりで、少量で満足できるものが多いというのも良いですね。
◎フローズンヨーグルト
カロリーが低く、たんぱく質もある程度含まれているという点でおすすめ。その上フローズンヨーグルトの乳酸菌は凍結状でも生きていて、乳等省令で規定されている生菌数を下回ることが無いことも確認されています注1)。腸内環境に良く、さまざまな健康作用が期待できます!
皆さん、暑くて疲れがたまったとき、ヒンヤリ冷たいアイスが食べたくなったら、参考にしてみてくださいね。次回は冷たいスイーツ編Part2「食べ方の工夫」の話をしたいと思います。
注1)一般社団法人『日本乳業協会』HPより
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この記事を書いた人
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1968年生まれ。横浜国立大学在学中よりタニタの体脂肪計のプロジェクトチームに参加。入社後は、世界初の乗るだけではかれる体脂肪計や体組成計、活動量計などの開発に携わり、機器の要となる計測の回帰式や判定アルゴリズム作成を担う。
29歳で社内初の技術系女性課長に就任し38歳で出産。栄養士の資格も有し文部科学省の食育有識者会議委員を務めるなど、さまざまな計測データを健康づくりに活かす提案を行い、栄養士と技術者の2つの視点から多数のセミナーの講師も担当している。