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会社都合のリストラ。選んだのは、転職ではなく大好きなキャンドルアーティストの道

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会社員時代に自分を癒してくれたキャンドル。制作に夢中になり好きを極めたら、多くの人を癒すキャンドルアーティストに。

プロフィール

キャンドル
アーティスト
鷹美(たかみ)

東京・神楽坂にアトリエを持ち、キャンドルの創り方を伝える講座も開催。五輪アスリートへの必勝祈願のキャンドルを制作したり、上鴨神社アートプロジェクトでのワークショップの開催、行灯フェアの灯りを担当するなど、活躍の場を広げている。

会社員時代にはじめた自分を癒すキャンドル創り

会社員として働き、人間関係がうまくいかない時に友人からもらったキャンドルを灯したことで心が落ち着いて、癒されたことがキャンドルを創るきっかけになったという鷹美さん。

灯したいと思える素敵なキャンドルを探していたがなかなか見つからない。そんなときにCandle JUNEさんの作品に出合い、「そっか。キャンドルって自分で創れるんだ。自分が灯したいと思えるキャンドルを自分で創ろう」と、インターネットで調べて、試行錯誤しているうちに、やがて創作に夢中になっていったのです。

イメージをキャンドルとして現していく

そこから数年、試行錯誤しながら作品や灯した様子をブログや SNS にアップしていると、「これ、購入できませんか?」という声が数多く届くように。ネットショップを立ち上げたところ、早速購入してくれる人がいました。


「自分が創ったキャンドルを買ってくれる人がいるんだ」。鷹美さんは、一層作品創りに邁進するようになります。視野が広がり、自分が本当にやりたいことが見つかったことで、いつの間にか、会社での人間関係は緩和されていたそうです。

個展の開催とキャンドルアーティストとしての独立

初めて個展を開催したのが 2010 年。これもまた、購入者からの「個展やったら?」「展示してくれたら見に行きますよ」という声に後押しされたといいます。中目黒で開催した個展には多くのファンが足を運び、大盛況。個展が終了した時には、緊張の糸が切れて涙が止まりませんでした。

伊勢丹での展示販売

と、ここまでは本業との2足のわらじ。独立したきっかけは、個展の翌年。会社で鷹美さんのいる部門が閉鎖になることになったこと。つまり、会社都合のリストラでした。人生の一大事、転職を考えて動き出したときはまだ、キャンドル1本でやっていける自信はまったくなかったと言いますが、周囲からの、「やっていけるよ!大丈夫」という言葉に勇気付けられて、キャンドルアーティストとして食べていく決意をしたのだそうです。


それから 12 年、オリジナルのキャンドルを作りつづけ、キャンドルアーティスト1本で自分の表現を続けてきた鷹美さん。年に数回は銀座や表参道で展示を行えるようになります。

アーティスト活動に加え、教室のスタート

ファンは年々増えて次の段階へのステップがやってきたのは 2013 年にやってきます。「キャンドルの作り方を教えてください」という要望に応えてキャンドル作りを教える独自の講座を立ち上げました。これまでに、教えてきた生徒は 200 名に上ると言います。


現在は、群馬県に暮らしながら、神楽坂にあるアトリエと自宅を行ったり来たりしながら、展示会を行ったり、教室を開いたりしています。コロナ禍で展示会が開催できなくなった時期もありましたが、自宅にこもっているからこそキャンドルを灯したいという人が増えて、ネットショップで購入してくれる人が増えたのだそうです。


自分自身が癒されたくて作っていたキャンドルが、今は、多くの人の癒しになっていることが最大のモチベーションなのだそうですが、アーティストとしての活動は時間の区切りがなく、一人だと延々と仕事に向かってしまいがち。そんな鷹美さんを支えてくれているのが家族との時間。夫との他愛ない会話や一緒にご飯を食べる日常が、心をニュートラルに戻してくれる大切な時間なのだそうです。

取材・文/MARU
写真/本人提供

この記事を書いた人

MARU
MARU編集・ライティング
猫を愛する物書き。独立して20年。文章で大事にしているのはリズム感。人生の選択の基準は、楽しいか、面白いかどうか。強み:ノンジャンルで媒体を問わずに書けること、編集もできること。弱み:大雑把で細かい作業が苦手。

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