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力作すぎる年賀状3選! 真似したくなるユニークなアイデア

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年賀状の発行枚数は減少傾向にありますが、だからこそ「送りたい相手にだけ送る楽しさ」が生まれています。 “とっておき”の1通のために、あれこれと考え、手を動かす時間はわくわくするもの。そんな遊び心を引き出すアイデアをご紹介します。今年はあなたらしい年賀状をつくって、送りたい相手に届けてみませんか。

メールやSNSで手軽に挨拶できるようになった今、年賀状は「送りたい相手にだけ送る」ものになりつつあります。自分らしさを込めて、楽しみながらつくってみませんか?

今回は『おてがみじかんで ほんの少し 心にゆとりを』の著者・小森利絵さんに、これまで受け取った年賀状の中から「印象に残っている」「アイデアをもらった」という3人の年賀状を紹介してもらいました。

どの年賀状にも、素材やデザインへのこだわり、遊び心や楽しい仕掛け、日常の小さな喜びを伝える工夫が詰まっています。つくり手それぞれの発想や表現から、今年の年賀状づくりのヒントを一緒に見つけていきましょう。

1人目。素材と質感が生む立体感! 紙好き必見の年賀状

三原美奈子さんの年賀状は毎年、紙の質感と加工で立体感を生み出した一枚一枚。

たとえば、2023年の年賀状は、おしゃれなダンボールみたいな「ファインフルート®」(竹尾)という紙を使い、表面を“U”の形にレーザーで焼き飛ばして、中の赤いフルート部分を見せるデザインです。加工もプロに依頼するなど、素材と技の融合を楽しめるようになっています。まさにパッケージデザイナーの三原さんならでは。

小森さんのコメント
「2023年のテーマは“ひきよせる”とのこと。“U”とは、丑年の“U”であり、かつ磁石の形。また、2025年にはミシン目を切っていくと干支のヘビが浮き出るようになっていました。『運気上昇を願って』とのこと。素材だけではなく、発想のユニークさにも心をくすぐられます。三原さんだからこそできる発想や表現ですが、ここからヒントをもらって身近な素材で遊ぶのも楽しそうだと思いました。たとえば、ダンボールや牛乳パック、お菓子のパッケージなど、紙の質感や手触り、その素材ならではの持ち味を生かしてみるとおもしろいかもしれません」

ここ、真似したい!
●身近な素材で遊んでみる
●紙の質感や手触りを生かして、触れる楽しさをプラス
●凸凹や重ね貼りで、立体感を出してみる

2人目。手を動かして楽しむ、仕掛けつき年賀状

清水香織さんの年賀状は、思わず手を止めて見入ってしまう、小さな仕掛けつき。

たとえば、2021年の年賀状は「だまし絵+勝手に性格占い付き」。ぱっと見て楽しみ、「勝手に性格占い」結果の内容を読んで、「こんなところに横顔のシルエットが!」とわかるなど、いくつものお楽しみがありました。

2018年の年賀状は「イヌですごろく」。戌年にちなんで、犬にまつわることわざや物語をモチーフにしたマス目になっています。宛名面には保護シールが貼られていて、めくると、そのマス目のもとになったことわざや物語の詳細が登場。さらに、その保護シール部分は、サイコロとコマをつくることができるキットになっているのです。清水さんと一勝負(犬だけに「わん!=one=1)できる、ユーモアたっぷりの一枚です。

2020年の年賀状は、紙を引っ張ると「おめでとうございます」のメッセージが現れ、絵柄のねずみがカップルになる仕組み。受け取った相手が、自分の手を動かすことで完成するようになっていました。

小森さんのコメント
「『そういえば、こんなにも楽しいものをいただいたなぁ』と思い出せる一枚一枚。仕掛けの紙づくりや切り込み、マスキングテープ貼付など、一手間かかっているところに、清水さんの遊び心を感じます。清水さんのお人柄とも重なり、受け取った時に自然と笑みがこぼれました。仕掛けがある分、ほかの年賀状に比べて、この1枚を手にしている時間も長くなります。送り手としても、この仕掛けをつくるために考えたり手を動かしたりする時間そのものが、きっと楽しいのではないでしょうか」

ここ、真似したい!
●仕掛けで驚きや遊び心を演出
●受け取った相手が“楽しめる”体験をつくる
●自分自身が、手を動かしてつくる時間も楽しむ

3人目。お正月のワンシーンを切り取った年賀状

野口真紀さんの2017年の年賀状は、ハガキではなく、封書で届きました。A4サイズの紙に描かれているのは、野口さん宅のお正月のテーブル風景です。お正月飾りやお皿のまわりには、お正月の様子や今年の目標、初詣のことなどのエピソードが、まるでおせち料理のように並んでいます。

また、2018年の年賀状は「お正月中継」。正月三が日にどんなおもちメニューを食べたのかが書かれ、レシピまで添えられていました。

小森さんのコメント
「野口さんからの年賀状は、いつもお正月を過ぎてから届きます。“お正月に届いた今年の年賀状を見ながら書くスタイル”とのこと。この“お正月の出来事を書いて送る”という発想は、ほかでは見たことがなく、おもしろいなぁと思いました。というのも、年賀状は年が明ける前に書くものという思い込みがあるからです。『もっと自由でいいんだ~』と肩の力を抜いてくれるような一枚でした」

ここ、真似したい!
●はがきにこだわらず、自由な形で楽しむ
●お正月の出来事を感じたまま実況中継のように書く
●レシピなど、相手が思わず「やってみたい」となる工夫を添える

つくる過程もきっと楽しい!

今回ご紹介した3人の年賀状には、どれも“手を動かして、つくる楽しさ”が詰まっていました。メールやSNSでは表現できない、手に取って感じる素材感や、仕掛けを動かす小さな体験、読みながら想像する物語・・・・・・「どんな一枚をつくろう?」と考えて、手を動かす時間は、童心に返るような、心躍るひとときになるはずです。

お話をうかがった小森利絵さん
「“あなた”がふと空を見上げたくなるメッセージを届け続けたい」。2008年から編集プロダクションや広告代理店、ウェブ制作・運営会社等に所属し、編集・ライティングの経験を積む。2014年からフリーライターに。主に、人物インタビューに注力している。高校生の娘と一緒にフリーペーパー『えんを描く』発行、お手紙を書く時間を楽しむ会「おてがみぃと」主宰、お手紙がある暮らしを書き綴るコラム「おてがみじかん」連載なども。2024年に『おてがみじかんで ほんの少し 心にゆとりを』を自費出版。

この記事を書いた人

I am 編集部
I am 編集部
「好きや得意」を仕事に――新しい働き方、自分らしい働き方を目指すバブル(の香りを少し知ってる)、ミレニアム、Z世代の女性3人の編集部です。これからは仕事の対価として給与をもらうだけでなく「自分の価値をお金に変える」という、「こんなことがあったらいいな!」を実現するためのナレッジを発信していきます。

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