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「好きを仕事に」小説家・額賀澪が考えるキャリア戦略とは?

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会社員かフリーランスか。二者択一ではない「ハイブリッド」な働き方。年収、時間、精神的安定…バランスを取るための3つの仕事を持つキャリア術とは?

「好きなことを仕事にしたい」と願うとき、多くの人が直面する課題が「会社を辞めるべきか、続けるべきか」という二者択一だ。しかし、松本清張賞を受賞後も会社員を続け、現在はフリーランスとして活躍する小説家、額賀澪さんは、この問いに対し、独自のキャリア戦略を提示する。彼女が実践する「バランスの取れた働き方」と、フリーランスとして稼ぎ続けるための思考法に迫る。

フリーランスになる条件を「数字」で決める

額賀さんは、会社員を辞めてフリーランスになるタイミングについて、石田衣良氏から受けたアドバイスを明かしている。それは「**『本を5冊出したら辞める』**といった、具体的な条件を自分で決めておく」ことだった。このシンプルなアドバイスにより、彼女は「いつ辞めるべきか」という余計な悩みに時間を費やすことなく、執筆に集中できたという。

この考え方は、小説家だけでなく、どんな分野でフリーランスを目指す人にも応用できる。「月収が〇〇万円を超えたら」「クライアントを〇件獲得したら」など、具体的な数字を目標にすることで、闇雲な不安を解消し、行動に集中できるのだ。

「稼ぐ力」を複数持つという選択肢

好きなことを仕事にしても、「稼げない」という現実に直面すれば、好きなことさえ嫌いになってしまう。額賀さんは、そのリスクを避けるために「複数の収入源を持つこと」を推奨している。会社員を続ける兼業は、その最たる例だ。作家業で収入が不安定になっても、会社員という安定した基盤があれば、精神的なプレッシャーは軽減される。

さらに、フリーランスになった後も、彼女は「3本くらいの違う種類の原稿を並行して書く」ことを実践している。青春小説、社会人もの、エッセイなど、複数のジャンルに取り組むことで、収入源を分散させるだけでなく、一つの仕事で行き詰まった時のリフレッシュにもなる。これは、一つの仕事に依存せず、多角的に「稼ぐ力」を身につけるためのキャリア戦略と言えるだろう。

「心と体のバランス」が稼ぐ力を維持する

好きなことを仕事にするということは、常に「やりたいこと」と「やるべきこと」の間でバランスを取ることだ。「体を壊しやすいのが兼業」「精神を病みやすいのが専業」と語る彼女は、それぞれの働き方のメリット・デメリットを冷静に分析している。

稼ぎ続けるためには、何よりも心身の健康が不可欠だ。額賀さんは、収入が減って「好きなものが嫌いになりそう」と感じたら、別の仕事を探すと決めている。そして、出した作品の売り上げや評価に一喜一憂せず、次の仕事に集中することで、精神的な安定を保つ努力をしている。

彼女のキャリアは、「好きを仕事にする」とは、好きなことだけをやるのではなく、それを継続するための戦略的な思考と、自律的な行動を伴うことを教えてくれる。

この記事を書いた人

I am 編集部
I am 編集部
「好きや得意」を仕事に――新しい働き方、自分らしい働き方を目指すバブル(の香りを少し知ってる)、ミレニアム、Z世代の女性3人の編集部です。これからは仕事の対価として給与をもらうだけでなく「自分の価値をお金に変える」という、「こんなことがあったらいいな!」を実現するためのナレッジを発信していきます。

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