地方移住で深海魚ビジネス。女性が一人で地方で起業するには?

「住む」と決めた町で、ゼロから築き上げた人とのつながり。地域おこし協力隊から起業へ。その成功の鍵は、徹底した現場主義と人間関係構築にあった。
地方移住に憧れる人は多いが、その夢を現実にするのは決して簡単ではない。仕事、そして何より「人間関係」の壁が立ちはだかる。しかし、その壁を乗り越え、静岡県沼津市戸田町で深海魚ビジネスを立ち上げた女性がいる。「深海魚直送便」代表の青山沙織さんだ。地域おこし協力隊としての活動を経て起業に至った彼女に、移住のリアルとビジネスの成功法則を聞いた。
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「定住する意思」を示すことが、信頼の第一歩
青山さんが戸田町に移住してまず取り組んだのは、地元の人との関係づくりだった。道の駅のイベントや深海魚フェスティバルの手伝いを積極的に行い、地元に貢献しようと奮闘した。彼女は「家も買いましたし、完全に戸田に拠点を置いて、地に足をつけて生きていく姿勢を見せることも、地元の人から見たら大事なのかなと思います」と語る。彼女の言葉からは、単なる一時的な滞在ではなく、この町に骨を埋める覚悟が伝わってくる。
「移住の夢と現実の違い」を青山さんは冷静に見つめている。「海が綺麗」や「自然が豊か」といった憧れだけではやっていけない。地元の人は「すごく他人のことを見ている」といい、新しく来た人の情報はすぐに共有されてしまう。プライバシーがなくなることへの戸惑いもあるだろう。しかし、青山さんは「どこに行っても同じ。移住した時点でそこでの生活が日常になるので、その文化に対応するしかない」と言い切る。
「小娘がきた」と思われないために
移住当初は、地元の人に話を聞いてもらえず、悔しい思いもした。「男の人がやるような仕事ばかりやらされてかわいそうだね」と言われたこともあったという。しかし、彼女はその悔しさをバクに、「小娘がきて何かやっていると思われないように、頑張って実績を出して認められたい」と前向きに進んでいった。
その中で、地元の協力者との関係を築く鍵となったのが、「知り合いの知り合いがつながっていく」という、地域ならではのネットワークだ。「挨拶に行くからついてくる?」と誘われ、地元の派閥も考慮しながら人脈を広げていった。お肉屋さえない不便な町での生活も、彼女にとってはさほど苦ではないようだ。
「やってみて、駄目ならやめる」行動力が未来につながる
大学卒業後、OL、留学、ワーキングホリデー、そしてアクセサリー販売と、様々な経験を積んできた青山さん。カバンの縫製の職業訓練校に通い、そこから地域おこし協力隊になったという経歴は、彼女の行動力を物語っている。
「やろうと思ったらすぐやるタイプ」と自身を分析する。そして「やってみて、駄目ならやめて違うことやればいい」と迷うことなく進んできた。それは、深海魚ビジネスにおいても同じだ。彼女は常に「やれる」と信じ、前に進み続けている。
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- 「好きや得意」を仕事に――新しい働き方、自分らしい働き方を目指すバブル(の香りを少し知ってる)、ミレニアム、Z世代の女性3人の編集部です。これからは仕事の対価として給与をもらうだけでなく「自分の価値をお金に変える」という、「こんなことがあったらいいな!」を実現するためのナレッジを発信していきます。
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