経験を仕事実践してわかったことは「なるようになるんじゃなくて、主体的にできることをする」(照明デザイナー/魚森理恵さん)
多様な働き方のリアルを聞きました!自分らしい働き方や生き方のために何をしたかを棚卸しすることでわかることとは? 「照明デザイナー」として、演劇や音楽ライブ、展覧会、作品制作など、ジャンルレスに活躍する魚森理恵さんに聞きました。
プロフィール
照明デザイナー魚森理恵
photo by Itsumi Okayasu
Do 仕事のために何をしましたか?
自分磨きのためにしていることは?
照明コンサルタントの資格を取ったんですが、その勉強がとても楽しかったです。
「あれがチャンスだった!」という転機は?
今ご一緒している方々に出会えたこと自体が、今思えば全てチャンスだったと思います。
「チャンスを逃した!」と後悔することは?
思いあたらないです。気がついてないだけかもしれませんが…
「やらなきゃよかった!」と思うことは?
権力勾配を利用して人を威圧することで仕事を動かす人がいる場には、行かなきゃよかったなと思います。
成長に欠かせなかった経験は?
①英語圏ではない海外公演で、通訳不在の状態で現場を切り抜けたこと。
②台風が直撃した野外現場の復旧作業で沢山の方に助けていただいたこと。
精神的に頑丈になりました。なるようになるんじゃなくて、主体的にできることをするのだ、と思いました。
失敗談を教えてください。
大怪我をして入院。人間、日にち薬でしか治らないものがあると知りました。その時にたくさん本を読んだことや、いろんな方とお話ししたことが今に活きています。
自分の仕事だから苦しいことは?
特に舞台照明は謎に固着した職業イメージがあるようで、仕事内容を誤解・曲解される事が非常に多いです。
無力さを感じることはありますか?
基本的に無力だ、という前提を持つことが大事だと思います。
仕事への責任について教えてください。
仕事仲間にアシスタントして頂く時は、仕事上の勾配がどうしても生まれてしまうので、とても責任を感じます。
自分の仕事に不満はありますか?
多くの劇場が1日13時間使用が通常なのですが、12時間が普通だったらいいのにな…と長年こっそり思っています。
今、直面している壁は?
子どもが中学生になったら仕事の時間上限の壁が減ると思いますが、家族で過ごす時間は大事なので、もうしばらくは、その壁を乗り越えずにいるかもしれません。
結果が出せない時、どうしますか?
対話を重ねます。立場を踏まえつつも対等に話をしやすくすることです。叶いそうにないことでも、一応言ってみようかな…と思ってもらうようにすること。もし照明系の魔法使いが居たら何を叶えて欲しいですか、と聞くこともあります。
モチベーションを高める方法は?
どのデザインでも必ず「やったことがない要素」を含んでいます。それがモチベーションの維持につながっています。
仕事でストレスを感じるのはどんな時ですか? そのストレス対処法は?
ハラスメント被害の話を聞いたり、見かけた時です。私も過去にそういうことがあって、当時は自分が悪いと思っていたけど必ずしもそうではなかった、私でよければ話を聞きます、と言うようにしています。
将来への不安はありますか?
体力低下と景気の悪化。まずは健康管理に気をつけます。
仕事の悩みは誰に相談していますか?
自分より若い人に相談することが多いです。自分より若い人と仕事をすることの方が格段に多いからです。
迷った時の最終決断の方法は?
決断のために必要な要素(ex.予算/時間/情報…)が揃っていれば、自ずと取捨選択されるので、ほとんど迷わないです。
振り返りの時間を作っていますか?
仕事を振り返る文章は毎回書いています。仕事のファイルと写真を整理し、精算書類を書き、お礼の文を送り、整理したフォルダを仕事歴のところにしまいます。
コミュニケーションで気をつけていることは?
キャリアの違いは必ず力の勾配を生みます。勾配のある関係で衝突が起こると、車両と歩行者くらい衝撃に差があるものです。その前提の共有と、お互いの安全の確保。日々のアップデートが必要です。
やろうと思っていること、思っているが手がつけられていないことはなんですか?
自宅の倉庫+実験部屋のセルフリフォーム。