経験を仕事仕事を通して「都度出会った方々と生き延びるために、力を分け合い、旅をする」（照明デザイナー／魚森理恵さん）

天職というのは自己分析では成り立たない評価だと思うので、天職だとは全く思いません。ただ、仕事をするたびに問いがアップデートされて面白いので続けているのだと思います。

喝采や称賛が舞台や展示に向けられているのをお客さんの後ろで見ている時、多分満面の笑みになっています。

難しいテーマの作品も、良い関係性で作品制作ができれば、現場で関わった内外の人々が、圧する力ではなくバランスで良いものが作れると信じてもらえるし、丁寧に構築された作品は社会に好作用すると考えています。

いつも感謝していただいています。

夢や希望、実現の形が日々変わっているので、達成はないんだと思いますが、一番最近した仕事が一番最高であり続けたいと思います。

この10年間、子どもが時間の余裕を作ってくれています。仕事の時間は減ってると思いますが、子どもの成長とその学びは仕事上も大きな成果があるので、トータルでは増えていると実感しています。

子どもが学校の勉強やそれ以外のことを学ぶとき、私も同時に学び直しをしていると感じます。子どもが好きなゲームやアニメ、映画、本が私も好きな傾向にあるので、気が合う、というのもあると思います。

この10年間は、家庭生活とのバランス上、仕事量に上限を設けているため数字は減っていますが、大学講師の仕事や研究活動など、機会は増えています。

基本的に全部フルスイングです。多分非効率ですが...

思考を放棄することです。

最初の数年は仕事や人間関係がきつかったのですが、若くて体力があったので、根性で様々な理不尽に耐えてしまったところがあります。途中で方向転換して、その根性を自分のデザイン仕事に使えるようになったから続けられています。

「気がついたら勝手に回転していること」が原動力だとしたら、見る／観る／視ることと、考えること。

自分だけのものではなく、ご一緒する方々との対話によって築く信頼関係はやりがいに比例すると思います。

適正はないな、と思いますが、不適切はあるな、と思います。タイムマシンがあったら、若い頃に戻って「その額で受けたらあかんで！」と言いたい案件はあったなと思います。

合理的だと思っています。

仲間です。

家族との日々の時間。ご飯を食べたり、ゲームしたり、スポーツ観戦したり、博物館に行ったり、旅をしたり。長めの海外仕事に同行させてもらったときに、その日々の大切さを心底実感しました。

他者への敬意と、感受性の自治。

相手が楽な連絡方法、伝達方法にフィットさせるようにしています。

AIを仕事仲間にできたらいいなと思います。仲良くしてくれるかなあ...

都度出会った方々と生き延びるために力を分け合い旅をする、終わらない登山のようだなあ、と時々思います。天気も変わりやすいし、突発的な危機もあれば、見たことがないような景色にも出会えます。