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もう写真で損しないための スマホでプロ級写真教室思わず買いたくなる商品写真ってどう撮るの?説明カットとイメージカットとは?【第2回】

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商品を撮るにはどうしたらいいのか?駆け出し料理ライタ―のkikkoは、美味しさが伝わる料理写真を撮るために、カメラマンnoccoにスマホでプロ級写真の撮り方を教わっている。今回は大福の撮り方に挑戦。

プロフィール

クックパッド専属カメラマン田部信子

クックパッド専属カメラマン。料理・人物を中心に撮影を行う。ダメアシスタント時代に撮影現場で何をしたら良いのか分からな過ぎて怒られ続けたことから、撮影の流れやコツを必死に言語化することに取り組む。それを元に作った講座が分かりやすいと人気になり、前職では写真教室を立ち上げ3000人に撮り方を教える。写真を撮るのに苦手意識を持つ人に、写真の楽しさを教えることに定評がある。

たった3ポイントであなたの写真が生まれ変わる!

今回のテーマは、和菓子屋さんの栗大福を撮る。

和菓子屋さんで売っている栗大福。その商品を美味しそうに撮るにはどうしたら良いのでしょうか。

栗大福の取材を控える駆け出しライターkikkoと一緒に、noccoさんに聞いてみましょう。

 

kikko 駆け出し料理ライター。写真を撮るのが苦手。自分にしかできない仕事を目指してライターになったものの、いきなり「取材の時にスマホでいいから写真を撮ってきて」と頼まれ、大ピンチ。カメラマンnoccoにプロ級写真の撮り方を教わることに。

nocco 料理ジャンルを中心にカメラマンとして活動。kikkoにスマホでプロ級写真の撮る方法を教える。

before
after

商品写真の撮り方が知りたい!

こんにちは!今日もよろしくお願いします。

いらっしゃい。今度はなんの取材に行くのかな?

今度は和菓子屋さんなんです。今のメイン商品である栗大福の写真を撮ってきて、と頼まれているんです。でも、相変わらずうまくいかなくて。

どんな感じになっちゃうの?

なんと言うか、商品写真ってどう撮れば良いのか分からなくて。

なるほど。では、またkikkoさんのやり方で撮るところからはじめましょうか。

はい。じゃ、まずは電気を消して窓の近くに行って……。

お、きちんと前回の復習が出来ていて素晴らしい!

説明カットとイメージカットって?

こんな感じですが、どうでしょうか?

なるほど。kikkoさんは、「説明カット」「イメージカット」のどっちが撮りたいのかな?

なんですか?その「説明カット」と「イメージカット」って。 

写真をどういう目的で撮るか、という違いかな。例えば、こうやってパッケージに入った状態で撮ると、どのように売っているかが分かりますよね。ビニールに入ってるのでもないし、紙に包まれているわけでもない。

確かに。通販で購入して誰かにあげる場合はそういうのって気になります。

そう。そういうところを「説明」するのが「説明カット」

なるほど。売っている状態をお伝えするものですね。箱入りの場合はどんな箱に入っているのかも気になりますから、確かに必要ですね。

うん。とは言っても、この写真を見て「食べたい」と思うかというとそうではない。

そうですね。魅力的かと言われると、魅力的ではないです。

一方で、写真を見て「この栗大福食べたい」って思ってもらうための写真が「イメージカット」。イメージカットの場合は売っている時の箱やパッケージに必ずしも入ってなくても大丈夫。より美味しそうに撮る写真、という感じかな。

確かに今日この大福を買ってきた時も、お店にあった写真は大福がお皿に乗ってました。

そう。買った人に食べる瞬間を想起させるような写真だと、美味しさが伝わりやすいわね。

なるほど。でも、ついついパッケージも写したいし、その大福が美味しいことも伝えたくなっちゃいます。欲張っちゃうんですよね。

そう。なんでも1枚に詰め込もうとする人が多いんですよね。でも、実は目的をしぼって撮った方が伝わりやすくなるのよ。少なくとも、私達プロは目的ごとに写真を撮り分けるのよ。

伝える内容に応じて撮り方も変える方が良いんですね。その意味ではこの写真は説明カット、ということでしょうか。

どちらかというとそうですね。ただ、こういう写真を撮る時に気をつけて欲しいのが、そのまま撮るのではなく、綺麗にしてから撮る、ってことかな。

撮影前のチェックが肝心

綺麗にしてからですか?

そう。例えば、このパッケージをよく見ると、大福の表面についている粉がパッケージの角についていますよね。パッと見気がつかないようなものでも写真になると気になるので、こういうところは、一度蓋をはずしてキレイにしましょう。

気が付きませんでした。キレイにしますね。

左が先程撮ったもの。右が綺麗にした後に撮ったもの、比較してみると違いが分かりますよね?

さっきは気がつかなかったけど、こうやって比べると掃除しないとって思います。

窓を横に見るようにして撮る

さて。でも、やはりパッケージに入れたまんまで撮ってしまうと、美味しさは伝わりづらいわね。こんな美味しい大福ですよって伝えたい場合はパッケージから出した方が良いわね。

確かにそうですね。あと、撮る場所はどうしたら良いでしょうか?今、なんとなく窓際で撮ったんですが、これで良いですか?そういえば、前回カレーを撮った時はもうちょっと窓に向かって立って撮っていたように思うんですが。

良い質問!前回のカレーの時は、カレーの表面の水分がキラっと光ることで美味しさを表現したかったの。だから窓に向かって撮ってもらったのよ。でも、今回の大福は水分感はそれほどないでしょう?その代わりに表面の質感をしっかり出すと美味しそうに見えるはず。そういう場合は、窓を横に見るようにして立って撮ると良いのよ。

撮るものによって、位置を変えるんですね。メモしておきます!
そして、ズームして離れて撮る、と。

なかなか良い感じで撮れましたね。光が横から当たって、大福の表面に陰影がつくので粉の感じや柔らかさも分かりますね。

はい、良く撮れたと思います!

さらに美味しそうに撮るコツ

でも、このままだと、普通のあんこの入った大福なのか、栗大福なのか分からないと思わない?

確かにそうですね。うーん、ふたつに切って中身を見せたらどうでしょう?そういう写真を見たことがあります。

いいアイデアね。やってみましょう。

でも、割った大福だけをお皿に乗せるよりも、切ってない大福も一緒に写した方が良くないですか?

お。良いところに気が付きましたね。確かに割ったものだけでもいいけれど、切る前の丸い形の大福も一緒に写せるとより良いと思うわ。ちなみにいくつ大福は買ってきたの?

余裕をもって4つ買ってきました。

多めに買ってくるなんて感心感心。せっかくだから、後ろに2つ置いてみましょうか?

はい。ではひとつ切りますね。あれ、これ、栗餡でした。私は栗がまるごと入ってるんだと思ってたんですが、違ってましたね。

「栗大福」と言葉に書いただけだと栗がまるごと入っているのか、栗餡なのか分からないのよね。それをきちんとビジュアルで説明してあげるのも写真の役割だと私は思うのよ。

はい。開けてみないと気が付かないところでした。やはり開けるの大事ですね。では、きちんと切り口が見えるように置いて・・・。ズームして離れて・・・撮る。

そうそう、ズームした時に「ポートレートモード」を使うと後ろがボケて良い感じになるわよ。

スマホでもぼかせるんですね。では、ズームして、ポートレートモードにして、離れて……。

こんな感じではどうでしょうか?

切り口が光の方向に向いてるから栗餡の色が綺麗に出ていていいですね。kikkoさん、後ろの栗も雰囲気が出ていて良い感じじゃない!

あれから色々勉強して、後ろに栗を置くことを思いついたんです。

kikkoさんが普段の生活の中で色々な写真に触れて、それを自分の中にストックしているのがとても良いですね。そうやって日常的に出会った写真の好きなところをストックしておくと、いざ自分で撮影する時に役に立つので、これからも続けていってね。

はい。なんか写真を撮るのが最近楽しくなってきました。

写真が楽しいって言ってくれるなんて嬉しいなぁ。ぜひ今回も頑張ってね。

はい!

kikko’s MEMO

  • イメージ写真を撮る時はパッケージから出して撮る
  • 大福は横からの光で撮る
  • 中身を見せることで味が伝わる

この記事を書いた人

田部信子
田部信子料理カメラマン
クックパッド専属カメラマン。料理・人物を中心に撮影を行う。ダメアシスタント時代に撮影現場で何をしたら良いのか分からな過ぎて怒られ続けたことから、撮影の流れやコツを必死に言語化することに取り組む。それを元に作った講座が分かりやすいと人気になり、前職では写真教室を立ち上げ3000人に撮り方を教える。写真を撮るのに苦手意識を持つ人に、写真の楽しさを教えることに定評がある。

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